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高齢者の病気「ロコモティブシンドローム」とは
現代社会では、高齢化が進む中で新たな課題が生まれつつあります。その一つが「ロコモティブシンドローム」です。東京都内の市川クリニックで活躍する市川斉医師に、この病気の実態と予防法、対処法について詳しく解説していただきました。
ロコモティブシンドロームとは運動器症候群 「ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害のために移動能力の低下をきたした状態を指す概念です」と市川医師。運動器とは、骨や関節、筋肉、腱などの運動に関係する器官の総称を指します。
この運動器が機能低下することで、歩行やひざ立ちなどの基本的な動作がうまくできなくなる症状が出るのがロコモティブシンドロームです。「移動する」ことを意味するlocomotiveと、「症候群」を合わせた造語となっています。
運動器の機能低下の主な原因 ではなぜ運動器の機能が低下するのでしょうか。市川医師は「加齢と運動不足が主な原因」だと指摘します。
「高齢になるにつれて筋肉は衰えやすくなり、筋力や柔軟性が低下します。さらに運動不足が加わると、関節の可動域が狭くなり、動作がスムーズにできなくなっていきます」
また、「活動量が低下すれば、それだけ運動器への負担が減り、機能が衰えるのは必然。生活習慣の改善が何より大切です」と市川医師は助言します。
ロコモティブシンドロームの主な症状 ロコモティブシンドロームでは、具体的にどのような症状が出るのでしょうか。市川医師によれば、主な症状は以下の通りです。
・階段の上り下りが困難になる ・しゃがみこむことが難しくなる ・つま先立ちがしづらくなる ・ものをたくさん持てなくなる ・腰痛や膝痛が酷くなる
「動作がスムーズにできず、生活に制約がかかるようになります。さらに放置すれば、身の回りのことがまったくできなくなり、要介護状態に陥ってしまう危険もあります」と市川医師は警鐘を鳴らします。
治療法と予防法は運動が中心に ロコモティブシンドロームに対する治療法として、市川医師が特にオススメするのが運動療法です。関節の可動域を広げ、筋力と柔軟性を保つための運動が有効だというわけです。