健康維持のためには、毎日の食生活を整えることが不可欠です。自分の食生活のチェック方法はさまざまなものがありますが、加工食品であれば栄養成分表示の活用がおすすめです。加工食品の栄養成分は食品表示法によって、表示が義務付けられています。具体的にはまず熱量や食塩相当量などが記載されています。そしてタンパク質と脂質、炭水化物も確認できます。
1日に必要な熱量は体格や年齢、性別などによって決まります。必要量に近づけることで病気にかかりにくい、適正な体重で過ごすことが可能になります。1日に必要は塩分の量は基準がいくつかり、議論がかわされているところです。比較的甘いとされる厚生労働省の基準は18歳以上の男性が8グラム、18歳以上の女性が7グラムとしています。これを超えると高血圧症になるリスクが上昇し、循環器系の病気になる安くなるため注意が必要です。
超高齢社会の日本で注目度を増している言葉のひとつにフレイルがあります。フレイルとは健康状態と要介護状態の中間のことです。大別すると身体的なものと精神的なもの、社会的なものになります。身体的フレイルはゆっくりしか歩けなくなったり、固いものが食べられなくなったりすることです。このまま進行すると、人の助けを借りないと生活できなくなってしまいます。精神的フレイルはやる気が起きなくなったり、物忘れがひどくなったりすることです。感情をコントロールするのが難しくなる人も多いです。社会的フレイルは社会との関わりが減ることです。付き合う人がほとんどいなくなったり、外出が減ったりする状態です。
予防にはまず、充実した食生活が効果的です。1日3食を栄養バランスに気をつけながら摂ることが基本です。よく言われるように、野菜やキノコ、海藻類でビタミンやミネラルを摂り入れることは大切です。さらに肉や魚などでタンパク質を補給することも忘れないでください。食が細くなると食べやすいものばかり食べるよう傾向があります。それでタンパク質が不足すると筋肉をつくる材料が不足しますから、体力が低下してしまいます。おすすめの方法は、タンパク質含有量が多いものを選ぶことです。ベーコンよりも薄切りの豚もも肉を選んだり、トロの刺し身よりも赤身を食べたりすることです。同じ量の肉や刺し身でも、より多いタンパク質が摂取できます。
食事に関する予防法では、人と食事を摂ることです。会話をしながら食べれば気分が上向くから消化にいいですし、食べるスピードも遅くなります。ゆっくり食べると血糖値の上昇スピードが抑えられ、糖尿病対策につながります。一人暮らしの人は、定期的に友人との食事をスケジュールするといいでしょう。近くに誘える人がいない場合は、地域コミュニティに相談するといいサービスが紹介してもらえる可能性があります。
他の予防法としては運動があります。体を動かすことで筋肉が刺激されるため、体力の低下が防止できます。またエンドルフィンという脳内物質が出ることで、気分の落ち込みを防ぎます。すでにフレイルの状態になりかかっていたり、医師にロコモティブシンドローム予防を勧められたりした人は激しい運動は難しいでしょう。これからバーベルを担いだり、坂道をダッシュしたりするのはかえって体に毒です。その段階にある人にぴったりなのは体操です。親しみのあるものであれば、ラジオ体操でもオリジナルの体操でもOKです。探せば5分でできる体操もあります。体操は筋力トレーニングとストレッチ、バランスの要素を含みます。生活に組み入れることで、気軽に体力向上が図れます。
体操を通じて社会との関わりを深めたいのであれば、地域のイベントに参加するのもひとつの方法です。近くの公民館や体育館などで体操のイベントをしていることを目にしたことはないでしょうか。それに参加すれば人とのつながりを感じながら、健康を増進できます。これは一石二鳥の予防法と言えるでしょう。
喫煙者であれば、禁煙が予防効果を発揮します。煙草に含まれる有害物質は全身の血行を悪くしますし、呼吸器の機能を低下させます。血行が改善され呼吸能力が高まると、運動能力が上がるだけでなく、思考能力もがあるという報告もあります。
もし自力での禁煙が難しいならば、住んでいる自治体の禁煙支援を受けることも検討する価値があります。保健所の健康相談の一環として、禁煙相談をしているところも見られます。専門家から複数の禁煙方法について、メリット・デメリットを教えてもらえることが魅力です。これから禁煙で健康を手に入れたい人を応援してくれる存在ですから、心の支えとなってくれるかもしれません。もっと直接的な禁煙支援として禁煙外来医療費助成を行っているところもあります。通院前に申請してそれが通れば、本人負担額の一部を自治体が負担してくれるものです。経済的な理由で禁煙外来通院をためらっている人には、うれしい支援でしょう。
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