生活不活発病とは生活の不活発が原因となって引きおこされるものであり、身体や頭の働きの低下に繋がる病気です。この病気について詳しく知らない人は多いですが、誰でも発症する可能性のある病気だと言えます。いざというときに備えて、詳しい内容を知っておくことがおすすめです。
まずは生活不活発病になる原因から知っておく必要があります。主に3つの理由から生活不活発病がおきることが多いです。
「①社会参加の低下」社会参加によって、活発に日々を過ごせるようになります。仕事を行ったり地域のコミュニティに参加したり、友人と会ったりすることで毎日に刺激が与えられますが、これらがなくなると生活が不活発な状態となるでしょう。定年退職や引っ越し、家族との別居や同居、自然災害や友人の転居など様々な環境の変化から社会参加が難しくなることもあります。環境が変化して社会参加の機会が減少していくことによって、生活不活発病になることがあると理解しておきましょう。また、環境の変化以外でもやることがなくなってしまうケースがあります。やりたいことがあるけれど家族や周囲からの反応を理由に身動きが取れなくなってしまうケースもあるでしょう。遠慮から社会参加が難しくなり、発症に繋がるケースもあることを知っておくと良いです。
「②生活動作のしにくさ」病気や環境の悪化を理由に、生活動作自体がやりにくくなってしまうこともあります。病気で身体が麻痺していたり、腰痛や膝痛によって上手く動くできなかったりするケースは少なくありません。自分の身体自体に重大な問題がおこっていなかったとしても、道が整備されていなくて生活動作が制限されてしまうケースもあります。自然災害で避難所や仮設住宅で生活することになり、住環境がきちんと整備されていないことで生活しづらくなってしまうケースもあるでしょう。身体におこっている問題や環境の問題を理由としてスムーズに生活動作を行うことができなければ、生活不活発病になってしまってもおかしくないと言えます。
「③生活動作の量的制限」生活動作に量的な制限がかかっている場合も病気に繋がるでしょう。病気にかかった後には、完治しているのに無意識のうちに動作を制限してしまう人がいます。何となく安静にしなければならないと勘違いしたり、病気中の癖で症状があった部分を庇うような生活をしたりするケースです。介護や支援に問題があるケースも多く、本人ができることまで周囲がサポートすることで生活動作が制限されているケースもあります。他には、夏の暑さや冬の寒さなどの季節の影響で行動が制限されることも多いです。知らず知らずのうちに動作に制限がかかっていると、不活発な状態になる可能性が高いと言えます。
生活不活発病の症状には多彩なものがありますが、全身への影響があるものと身体の一部におきるもの、神経系におきるものの3種類に分類することが可能です。全身に影響するものとしては、心肺機能や消化器機能の低下、起立性低血圧や食欲不振、便秘や尿の増加などをあげることができます。身体の一部におきるものには、廃用性筋萎縮や廃用性骨萎縮、皮膚萎縮や関節拘縮、褥瘡や静脈血栓症があるでしょう。神経系におきるものには、知的活動の低下や自律神経の不安定さ、うつ状態や周囲への無関心、調節機能の低下などをあげられます。
種々の症状に繋がってしまう生活不活発病は、予防や早期発見からの早期対応が大切です。予防・改善方法は生活を活発化させることだと言えます。社会参加の低下や生活動作の制限によって心身の機能が低下してしまうため、日頃から社会参加を活発にしたり生活動作を増やしたりすることが重要です。他の病気のように、食事改善や運動量の増加だけで解決できるような問題ではありません。毎日の活動量を増やしていくことが大切なので、楽しく過ごすことを意識しながら積極的に社会に参加していくことが大切です。身体や頭を使っている状態にすることが大事なので、予防したい場合や症状を改善したい場合は生活や行動を変える必要があります。定年退職をした場合は趣味を見つけたり地域の集まりに参加したりすることができますし、身体が不自由な場合は杖などの用具を使用しながら自分の力で安全に活動できる状態をつくることが可能です。家族や専門サービスから支援を受けている場合は、無理のない範囲で自分でできることは自分ですることも大切だと言えます。こうしたポイントを意識しておくことによって、生活不活発病を予防したり症状を改善したりすることができるようになるでしょう。
生活不活発病は誰でもなり得る病気です。知らず知らずのうちに原因となるような生活を送っている可能性があるので、生活不活発病の可能性がある場合や予防したい場合は生活を見直してみることをおすすめします。生活不活発病になってしまうと悪循環に陥ってしまい、どんどん動けない状態になる可能性が高いです。症状について理解を深めておき、この問題に悩まされることがなくなるようにしておきましょう。
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