糖尿病や高尿酸血症や脂肪肝やメタボリックシンドロームや脂質異常症など、加齢に伴い発症のリスクが高くなる厄介な生活習慣病はたくさんありますが、高血圧症もその代表的なものです。高血圧とは安静にしていても慢性的に血圧が高くなる状態のことで、仮面高血圧や早朝高血圧や昼間高血圧や夜間高血圧などいくつかのタイプに分けられます。

仮面高血圧とは測定する環境によって高くなったり低くなったりするタイプのもので、高血圧症であるのかどうかを判断しにくいという厄介な特徴を持っています。病院で測定すると高いけど自宅で測定すると低かったり、その逆だったり上下するシチュエーションには個人差があります。

早朝高血圧とはその名の通り早朝に危険水域まで上昇するタイプで、深夜は安定しているのに早朝だけ急激に上昇するモーニングサージタイプと、深夜から徐々に上がり始めて高い状態が早朝まで続く持続性タイプという2つのタイプにさらに細分化されます。昼間高血圧とは日中に高くなるタイプの高血圧症で、職場でのストレスや家庭内でのトラブルなどから来る精神的な作用によって生じます。

夜間高血圧とは夜になると高くなってしまうタイプで、計測しない時間帯にひっそりと高くなるので見逃してしまいがちです。これらの症状の放置によるリスクとしては、脳卒中や心疾患や慢性肝臓病などがあります。脳出血や脳梗塞やくも膜下出血などの脳卒中と心筋梗塞や狭心症などの心疾患は、突然死に至ったり言語障害や記憶障害や半身不随などの重い後遺症が残ったりなどのリスクもつきまといます。

様々なリスクがついてまわる怖い生活習慣病ですので、軽視してそのまま放置するのは絶対にNGです。ハードなトレーニングをしたり激しいスポーツやアクティビティを楽しんだりしたときも高くなりますし、緊張したり興奮したり怒ったりショックを受けたり爆笑したり心配したりなどの精神的な作用で一気に上昇することもあります。一過性のものであるのか慢性的なものであるのかを見極めることが大事ですので、まずは日頃からこまめに測定する習慣をつけましょう。病院で測ると下がったり上がったりして一定しない仮面タイプの場合は、計測結果をメモしてドクターに正しい情報を伝えるべきです。ストレスを感じやすい昼間高血圧タイプの方は、高血圧の予防策としてメンタルヘルスケアを積極的に行わなければなりません。

職場で自分だけ浮いた存在で孤立してしまい良い人間関係を築いてスムーズなコミュニケーションをとることが出来ずそれが仕事のパフォーマンスの悪さにも影響する、パワハラ気質だったりセクハラ発言をしたりする上司がいて精神的に耐えられない、リモートワークで自宅で仕事をする時間が増えたら夫婦喧嘩が多くなり常に気まずい雰囲気が漂っていて気持ち的に安らがない、ママ友達との集まりに行くのが苦痛だけど子どものために我慢しなければならないなどの悩みがあり、メンタル面の不調を感じている方は多いのではないでしょうか。

そのメンタル不調が高血圧症に直結する可能性がありますので、趣味に没頭して気分転換をしたりプチ贅沢でリフレッシュしたり睡眠時間を増やしたりなどのケアをして、心を健康な状態へと導きましょう。セルフケアでは対処が難しいメンタル不調を抱えているなら、カウンセリングルームや心療内科クリニックに通って、心理カウンセラーやドクターに悩みを相談して問題の早期解決に努めることも必要です。早朝や夜間に高くなるタイプの場合は、24時間血圧計を用いてどのタイミングでどのくらいのスパンで上下動するのかをきちんと把握することが高血圧の予防策につながります。

夜から朝にかけて持続的に高くなっている方は、睡眠の質が悪い傾向にあります。睡眠時無呼吸症候群を患っている可能性もありますので、睡眠アプリを使って寝ている間の呼吸状態を調べたり、一緒に寝ている家族に観察してもらったりなどの対策も行うべきです。これといった原因がわからず慢性的に高い状態である場合、不摂生な生活習慣が影響しているケースがほとんどです。栄養バランスの悪い食事や喫煙や運動不足や不規則な生活リズムなどがそれにあたります。とくに気をつけなければならないのが、塩分の過剰摂取で体がナトリウム過多になることです。

食事において心がけるべき高血圧の予防策としては、醤油やドレッシングなどの調味料は減塩タイプのものを選ぶ、利尿作用がありナトリウムを体外に排出するのを促してくれるカリウムを食べ物やサプリで意識的に摂る、血液がドロドロにならないようにするためにDHAやEPAやリコピンやビタミンB群などを摂取したり水分補給をこまめにしたりするなどがあります。青魚にはEPAとDHAが多く含まれており、トマトはリコピンとカリウムが豊富です。運動で血流を良くすることも大事ですし、禁煙に努めることも高血圧の予防対策として有効的です。