歯の健康は全身にも大きな影響があります。虫歯を放置していると歯周病菌が全身に広がってしまい、慢性的な炎症などの原因になってしまうことさえあるのだと最近の研究で分かってきました。口腔衛生環境と疾患などの関係については、実験段階でさまざまな因果が近年証明され始めています。
食物を噛んだり重い物を持ち上げる時には、上下の顎の大きな力が加わり歯の表明部分にも大きな負担がかかるのです。摩耗をしてしまい削れてしまいます。長年の生活を送る上で完全ではなくても、自己修復機能が働くことが分かってきているのです。歯の内部からは修復のための細胞が修復液を出して、壊れてしまったエナメル質を再生する効果を持っております。体の内側から現れる機能でありますが、正常な場合には修復効果を口腔内に与えてくれるのです。しかし何らかの原因で口腔内と神経が双方向性を持ってしまうと、虫歯菌が神経を伝わり全身に運ばれてしまうことになります。
虫歯菌は血管内で固まってしまい動脈硬化を引き起こしたり、活性酸素と結び付いて炎症を起こすなど全身疾患等や、毛細血管の多い呼吸器系疾患にも悪影響を与えてしまうのです。ホルモンバランスが崩れる遠因になれば循環系疾患に影響がありますし、他にも持病や疾患を持っている人は健康への影響が少なくありません。虫歯や歯周病に生活習慣病が重なってしまうと、咀嚼能力の低下や歯を失うだけではなく万病の元になってしまうことさえあるのです。
歯周病で歯を失う原因は歯石にあると言われており、普段からの歯磨きだけではなく定期的な通院が必要だと言われております。歯石を取るためのスケーリングを行いプラークを除去して、着色汚れを落とすことで口腔内環境の正常化を行うのです。治療も大切ですがこうしたメンテナンスや、日頃のケアもとても重要なのです。
日頃出来るケアは歯ブラシを使ったクリーニングが一番効果的であり、磨くだけではなく根元部分を優しくリズミカルにマッサージすることで歯石の付着を抑えながら、血行促進の効果があり再生ホルモンを増強してくれると言われております。さらに仕上げにフッ素の混入されて歯磨き粉を使ったり、同様のマウスウォッシュなどでうがいをすることも推奨されているのです。近年では口の大きさや歯並びに応じた各種のブラシが売られており、狭い部分に届きやすいタフトブラシも気軽に買えるようになりました。ハードタイプよりもソフトタイプの方が優しく磨けるのでおすすめです。
日頃のケアの仕方が分からない人は、歯科医院に通院している時に衛生士さんにケアの仕方を教えてもらうことが必要になります。また歯科医専売品のケアグッズには優れ物が多いので、おすすめされたグッズを試してみることもいいかもしれません。スーパーマーケットなどで売っている商品より若干高いですが、金額以上に利便性が高いアイテムがあると良い評判なので迷わずに一度は使うことをおすすめします。他には寝る前には食べないことや、甘い物を食べたら歯磨きをするなども習慣化することが大切です。
口腔内の健康は日頃の生活も密接に関係しており、運動不足や睡眠不足や栄養不足も口腔内の状態を大きく左右します。野菜・果物類の摂取量が少ないと各種のビタミンが不足して、歯茎の血色が悪くなるのです。これは血行が悪くなったことが原因であり、放置していると十分な栄養や抗酸化物質など運ばれずに歯槽膿漏などの原因になることもあります。抗酸化ビタミンの低下は、体の抵抗力を少なくして風邪を引きやすくなったり虫歯に対する免疫力を下げてしまうのです。
運動をすることで免疫力の向上や血流促進、再生細胞の増加などを期待出来ます。運動は重い物を持ち上げるバーベル系の無酸素運動よりも、適度に息が弾む程度の有酸素運動が効果的だと言われているのです。筋肉もポンプの働きをしてくれて、下半身に下がった血流を全身にもう一度戻してくれる機能があるために、余裕があるのならば無酸素運動もメニューに取り入れることで健康寿命を延ばすためには有効になります。
歯槽膿漏や虫歯による炎症などにより抜歯をしてしまうと、咬合力の低下や嚙み合わせの悪化などが起こります。インプラントやブリッジや入れ歯などの対処方法はありますが、なるべく自分の歯を残存させておく方が健康的です。もちろん病気の状態の歯や周辺組織の治療は積極的に行い、歯科医師の判断で抜歯をすることもあります。抜歯をしなくて済むように日頃のケアや、定期的なメンテナンスを行わなければなりません。
口腔内の環境は全身の健康とも密接な関わりがあります。体の状態が悪いことで歯や歯茎に悪い影響を与えてしまうことがある相互関係を持っております。健康寿命への悪影響は日頃の生活に隠れているのです。食事を美味しく自分の歯で食べることは、当たり前のようで当たり前ではありません。とくに年齢を重ねると心底、健康であることや歯の重要性に気が付くのです。
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