一般的にあせもと呼ばれる皮膚疾患は正式には汗疹と呼ばれるもので、汗疹とは「かんしん」と読む、汗で悪化する発疹であり汗を分泌する汗腺組織が活発にならない、汗を出したくても出せない状態になると内部に汗が蓄積されてしまい汗腺部分を中心に炎症が起きる症状です。皮膚には常在菌と呼ぶ菌が生息しているのですが、きれいな状態を保つようにしないと常在菌などにより赤みが強く生じて来たり、痒みが酷く出ることもあります。このように、汗疹とはあせもと呼ばれる皮膚トラブルの正式名称になることを覚えておけば、その対策などの仕方を見つけるときにも役立てることができます。
汗疹の症状や原因について把握することも、治療や予防などに役立てることができるようになりますが、まず汗疹の症状はどのようなものになるのか解説しましょう。数ミリ程度の盛り上がった湿疹が身体に多く生じる、中でも頚・お腹・背中・脇などに生じやすいのですが、色および形などで水晶様・紅色・深在性の3つに分類が行われます。汗腺に汗が蓄積することでその分分が盛り上がるのが特徴で、水晶様汗疹は皮膚の比較的浅い部分に汗が蓄積される状態です。
紅色汗疹は、角質より深い部分に汗が蓄積される状態で、深在性汗疹は皮膚の深層部で汗を出す管が破壊されている状態などそれぞれに特徴があることが分かるのではないでしょうか。深在性汗疹は、熱帯地方に住んでいる人の発症率が高いといわれており日本人の多くは水晶様汗疹もしくは紅色汗疹で、子どもの場合は赤い汗疹が多いのではないかと考えられています。
汗疹の症状は、痛くもないし痒みがあることもないなど無症状が一般的なのですが、汗が蓄積して炎症が起きるとそこから痒みの症状が起こりやすくなります。一度痒みが生じると我慢しきれずに引っ掻き崩してしまうので皮膚が傷ついてしまい、皮膚に存在している常在菌やブドウ球菌、溶連菌などが原因になる伝染性膿痂疹、いわゆる飛び火を引き起こすこともあるため、痒みが生じても引っ搔き崩さないような工夫が大切です。飛び火の状態になると、ジクジク感じることが多くなったり痒みが強く出るようになるなど伝染性膿痂疹の治療も必要です。
汗疹の原因は、汗によるものですが子供に多くみられる症状は大人とは少々ニュアンスが異なります。子供は汗をかきやすいだけでなく皮膚が弱いなどから、汗疹が多いのですが、生じる場所も汗をかきやすい部分に生じることが多いのが特徴です。例えば、頭の後ろ側や首、わきの下や膝および肘などの関節部分などが代表的です。肘や膝などの曲がる部分は曲げたり伸ばしたりといった動作を行う部分、曲げているときは空気に触れる頻度が減るので、その分症状が悪化する可能性も高くなりがちです。生じやすい部分は汗疹だけでなく、アトピー性皮膚炎が発生しやすい箇所でもあり症状によりアトピー性皮膚炎と区別がしにくいこともあります。
体温が高い子供はお腹や背中、おむつをしている乳幼児などではおむつの中でも汗疹が起きることがある、汗疹の診断は難しいこともあるのですがアトピー性皮膚炎や汗疹はいずれも伴うこと治療そのものが類似しているので区別は難しい部分があるようです。
汗疹の治療は、ステロイド外用薬を使う方法が有効ですが、これは痒みが強いときです。基本的に、汗疹は汗が原因になる皮膚疾患なので、汗がかかなくなる季節に入ると自然治癒することも少なくありません。しかし、汗をかきやすい環境は自然治癒しても再発することもあるので注意しなければなりません。汗疹はアトピー性皮膚炎とは異なり数字程度で治りますが、痒みが生じて引っかいてしまうと炎症が起きるなど痒みが強いときはステロイド外用薬を使い、引っ掻き崩さないよう工夫することが大切です。アトピー性皮膚炎とは違って、ステロイド外用薬を長期間使用することはできないため痒みが治まったら使用を中止するなども重要です。
汗疹の予防法は、汗をかかないようにすることです。しかし、汗をかかないようにすることは困難ですが、汗をかいても常に拭き取り清潔に心掛けることは汗疹の最大の予防法にも繋がります。高温多湿の環境を避けること、エアコンや除湿器などを使い室温を28度前後に保つこと、汗をかいたときはきれいなタオルなどで拭き取ったり洗うなどして清潔な状態を維持する、一旦症状が起きると乾燥しやすくなるので保湿剤を使うのも有効です。他にも、普段から石鹸を使って皮膚疾患が生じやすい部分を中心に皮膚を清潔にすることや小まめにシャワーをして汗を洗いながすなども予防法に効果的です。
保湿剤を使う場合は、軟膏やクリームを使うよりも汗の場合はローションの方が良い、入力後に保湿剤のローションを使うことで予防やケアに繋げることができます。汗疹が中々治らないとなったときには、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などの疾患も考えられるので皮膚科への受診が安心に繋がります。
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