誕生してから命を全うするまでの間で人体には常に大小様々な変化が生じており、一定の期間までは成長として扱われるものの成人を過ぎて成熟期に入ってからは老化として扱われます。
老化とは全ての人々に共通して生じる変化ですが、進行速度には個人差が大きく見られるのも特徴的です。

そのような老化とは、とても広い範囲を対象にして示される言葉であるが故に用いる人によって範囲が異なる事例も稀有ではないものの、一般的なのは成熟期を過ぎた頃から見られる生理機能の変化という事になるため、老化の始まりはいつ?という疑問を抱いた時には成熟期を過ぎた頃と捉えておくと良いです。

他にも遺伝が関係している事例はもちろん、生活の中で周囲から受けるストレスによって適応する能力が低くなって起こる事という認識の仕方もあります。
メカニズムについては年齢を重ねる事による自然の変化に太刀打ちするのが困難になるものと、人体にとって良好ではない物が生まれる事によって老化していくものに分かれています。

念頭に置いておく事が大切なのは、成長の進行速度が個々によって違うように同じ年齢の方でも老化の様相に違いが生まれる事で、尚且つ一部分的には早く進行していてもその他の所については実年齢よりも健やかである事例も珍しくない事です。
熱心に目が向けられやすい老化の原因は複数存在していて、数ある中の1つは身体の中において活性酸素の量が増えて錆びついてしまう様子です。
活性酸素というのは身体のあらゆる所を錆びつかせる直接的なきっかけになりますが、生み出される理由は様々ですし生命を維持すべく欠かせない事が引き金になる事もあります。
生命の維持を目的として行っている事が引き金になるのは1日に繰り返し行い続けている呼吸であり、吸い込んだ時の酸素が活性酸素になる事もありますし、屋外で過ごしている時に吸い込んだ自動車の排気ガスが関係している事例も珍しくありません。
他には喫煙をする方であればタバコがきっかけになりますし、屋外で運動をする機会が多い方は紫外線が関係するのに加え、行っている運動が激しすぎる時は激しい運動によって体内に蓄積します。

活性酸素がもたらす体への影響は?という疑問を持った時には年齢によって考え方が異なり、まだ年齢が低めである時には自発的に排除する能力が高く維持されているものの、40歳を超えた頃からは排除する能力が低くなっていきます。
40歳から排除する力が低くなっていくというのは老化の原因に大いに関係していて、30歳と40歳で見た目が大きく変化する方が多いのは活性酸素を除去する能力が低くなってきているためです。

人間の身体は頭部や心臓、内臓など複数の部位に分かれていますが各々で老化が生じ、脳神経系では大脳の大きさが小さくなったり脳細胞の数自体が元来よりも少なくなります。
心血管系は心臓の一部が大きくなってきたり冠動脈硬化といった疾患が起こりやすくなるのと共に、運動をした時に顕著に心拍数が低くなります。
心拍数が高くなる事で血液が健やかに流れていくのが人体の仕組みなので、流れが悪くなると心筋梗塞や心不全が起こりやすくなる上に、高血圧症も発症しやすいです。

呼吸器系では肺に存在している細胞の絶対数が減少してしまいますし、同時に弾力性も低下してしまうため息を吐いたり吸い込むといった無意識的に行っていた事が難しくなったり、息苦しさを覚えやすくなるのが特徴です。
消化器系は食べ物を口から摂取した後の消化はもとより、食べ物を口の中に入れて咀嚼したり飲み込む能力においても低くなるのに加え、体内で逆流が起こりやすくなる様子から胃液などによって炎症も発症しやすいです。

身体の基本でもある骨格系も老化による変化を受けやすく、骨格に年齢による変化が起こった時には骨そのものの重量が少なくなるのですが、重量が少なくなるのは骨の密度が顕著に低くなる様子が関係しています。
密度が低くなると些細な衝撃でも骨折しやすくなってしまい、転びそうになった時に軽く手を出しただけでも骨折しますし、咳やくしゃみをした衝撃で折れてしまう事もあります。
このような組織に見られる変化の他には視力が低くなって近くの物と遠くの物が共に見えにくくなったり、耳から入ってくる情報が正しく聞き取りにくくなる事もあります。

老化とは年齢を重ねて毎日を過ごしている人達の全てに共通して起こる事ではありますが、見舞われるタイミングが早かったり変化によって日常生活に負担が生じるほどの影響が起こった時には、生活の質自体にも関わります。
できるだけ健やかかつ充実した毎日を若い時のように送り続けるには、老化の原因になっている事を今一度洗い出して見つめ直し、改善できる所は積極的に改善していくようにしましょう。
さらに、あまり深く考えすぎるのも老化の原因になるので、自分らしさを大切にしながら自然体で過ごし続けるのも大事です。

市川斉