春を迎えると体に変化が現れるようになります。体調不良の原因はさまざまなところに潜んでいるので気を付けましょう。日々の寒暖差や気圧の変動の変動といった自然現象に起因するものも少なくありません。ですから、予防についてよく考えたうえで積極的に対策をすることがポイントになります。その際に意識することが重要なのは自律神経の働きです。普段の生活では問題なく機能していても、上記のような影響によって異常が生じることもあります。自律神経の乱れから何が起こるのか把握したうえで先手を打つようにしましょう。とはいえ、自律神経という言葉を知っていても、どのような働きをしているのか知らない人も少なくありません。2種類の神経が連携しているので、それらに関して基本を押さえておくことが欠かせません。

2種類の神経のうち、ストレスを体感しているときに活性化するのは交感神経です。会社のスピーチやスポーツの試合のときなど、緊張している状況になると強く作用するようになります。そう言われると悪者のように感じるかもしれませんが、心身を健やかに保つメカニズムの一翼を担っているのです。もう一方は副交感神経と呼ばれるものであり、こちらはリラックスしているときに活性化します。つまり、交感神経とは真逆の特性を持っており、心身が癒されているときに重要な役割を果たすのです。これらがバランスをとることで、心身は健全な状態がキープされるようになります。春になるとその状態を維持できなくなる人が多いです。

そこで重要なのは「乱れの原因は?」という疑問を持つことです。日々の寒暖差はその代表ともいえるもので、交感神経が顕著に刺激されてしまいます。エネルギーの消費量が一気に増えてしまい、他の季節よりも疲労感が強くなるというわけです。5月ごろにだるさを訴える人が続出することは、この現象に大きく関係しています。副交感神経が劣勢になっており、それを改善できないまま過ごすことになりやすいです。積極的に対策しない限り、変化が見られないことも珍しくありません。気圧の変動もそれに負けないぐらい大きな影響をもたらします。高気圧が低気圧と何度も入れ替わるので、それに伴って自律神経も適切に切り替わる必要があるのです。しかし、そのような理想的な運用がなされず、一方に偏ってしまうことがよくあります。特に低気圧のケースが問題であり、血中の酸素が不足するなどの症状が起こりやすいです。その結果、起きている間も眠たいと感じることが増えていきます。常に寝不足のような状態になり、正常な思考力が損なわれてしまうケースも多いです。

さらに、生活環境の変化も大きな原因の一つです。春は入学や人事異動などのシーズンであり、これまでに慣れた場所から離れる人がたくさんいます。不安を覚えながら活動する期間が長びき、住まいに戻っても落ち着けないケースが少なくありません。ストレスが蓄積していき、それを解消する余裕もないのが実情です。この負の連鎖が継続することで、自律神経の乱れが恒常的になっていきます。五月病の最大の要因といっても過言ではありません。春になると起こる変化として花粉の飛散も挙げられます。花粉症とは、それから体を保護しようとする本能が引き起こす症状です。免疫の能力が平常時よりも活発に働いており、その影響で体力が落ちてしまうケースが目立ちます。睡眠不足やだるさを招く原因にもなっており、毎年多くの人が苦しむことを余儀なくされています。

上記の原因を踏まえたうえで、予防と対策はどのようなものが良いのか考えましょう。規則正しい生活がポイントであり、バランス良い食事をとることが欠かせません。体を動かす・運動を続けることも効果を期待できます。心身の緊張をほぐしてリラックスしやすくなるからです。忙しくて時間がとれないなら、軽くストレッチをするだけでも構いません。とにかく続けることが重要で、苦しいと感じているときこそ積極的に取り組んでください。リラックスしたいなら入浴を長めにするという方法もあります。のぼせない程度の湯温に設定して、半身浴でいつもより長めに入りましょう。もちろん睡眠を長めにとることも対策の一つです。温かいミルクなどを飲んで体温を上げて、入眠のハードルを低くすることがコツです。レンジなどで温めたタオルを首にあてることも同様の効果を期待できます。

花粉症に対してはマスクの着用が基本的な予防になります。薬の服用も効果的ですが、眠くなるなどの副作用が懸念されるので、医師の指示に従って使用することが不可欠です。建物の中に入る前に服をはたいて花粉を落とすことも大事です。帽子やメガネを着用することも予防につながります。実際は、上記の原因が複合的に関係しているケースも珍しくありません。ですから、対策も複数の観点で進めていくことが必要になります。1つ試しても効果がないなら、網羅的に実施していくと良いでしょう。